近年、日本の不動産市場は大きな転換期を迎えています。特に注目されているのが「中古マンション市場」です。
日本不動産研究所の最新発表によれば、中古マンション価格が16か月連続で上昇を続けており、投資家や実需層の間で「堅調な市場」として改めて注目を集めています。
本記事では、この価格上昇の背景や今後の展望、そして不動産投資家が押さえておくべき戦略について解説します。

◆ 中古マンション価格上昇の背景
1. 都市部への人口集中と住宅需要
東京23区や首都圏近郊では依然として人口が集中しており、賃貸需要・購入需要ともに底堅さを見せています。特に単身者向け・DINKS層向けの1LDK〜2LDKは人気が高く、価格上昇を後押ししています。
2. 新築マンションの供給不足
建設コストの高騰や人手不足を背景に、新築マンションの供給数は減少傾向にあります。結果として、手に入りやすい中古マンションに需要がシフトし、価格上昇を引き起こしているのです。
3. 金利動向の影響
日本銀行が段階的に金利政策を見直す中でも、依然として住宅ローン金利は世界的に見て低水準です。そのため「多少高値でも今のうちに買っておこう」という買い手心理が働いていることも、価格上昇を支えています。
◆ 投資家が注目すべきリスクとチャンス
価格上昇が続く市場には当然ながらメリットとリスクの両面があります。
リスク① 高値掴みの懸念
16か月連続で価格が上昇しているということは、すでに「高値圏」に入っている可能性があります。特に地方エリアでは需給のバランスが崩れ、将来的に値下がりリスクが高まる懸念があります。
リスク② 実質利回りの低下
価格上昇に伴い、賃貸利回り(表面利回り)は圧縮されています。たとえば、以前は7%程度あったエリアが現在では5%前後まで下がるケースも。購入前には必ず「実質利回り」を試算する必要があります。
チャンス① 安定した需要
一方で、東京23区や横浜・川崎といった首都圏エリアでは、賃貸需要が非常に安定しています。空室リスクが低いことから、安定収入を狙う投資家にとっては安心感のある投資対象です。
チャンス② 中古リノベ市場の拡大
最近は「中古マンション+リノベーション」という形で付加価値を高め、家賃や売却価格をアップさせる手法も一般的になっています。
👉 参考:リノベーション協議会
◆ 成功するための投資戦略
- エリア選定が最重要
人口動態、再開発の有無、交通利便性を徹底調査。特に「賃貸需要が底堅いエリア」に絞り込むことが成功の鍵です。 - 表面利回りではなく実質利回りを計算
管理費・修繕積立金・固定資産税などを加味した「手残り収益」を把握することが必須です。 - リスク分散を意識
複数の物件を保有し、エリアや間取りを分散させることで、リスクを最小化できます。 - 将来の出口戦略を描く
売却益を狙うのか、長期保有でインカムゲインを得るのか。目的に応じた購入計画を立てましょう。
◆ 今後の市場展望
短期的には中古マンション価格の上昇は続く可能性がありますが、2025年後半以降は金利動向や景気減速の影響を受けて調整が入ることも想定されます。
しかし、**長期的には「都市部の不動産は資産価値が落ちにくい」**という特徴があるため、堅実な投資対象であることは変わりません。特に再開発が進む東京・横浜・名古屋・大阪などのエリアでは、中古マンション投資の妙味は大きいでしょう。
👉 参考:日本不動産研究所 プレスリリース
◆ まとめ
- 中古マンション価格は 16か月連続で上昇中
- 背景には「新築供給不足」「都市部需要」「低金利」がある
- 投資家は「高値掴み」「利回り低下」に注意
- 成功の鍵は 需要のあるエリア選定+実質利回りの精査
- 中古リノベーション戦略や分散投資が今後の勝ち筋
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代表取締役 生田 忠士
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