不動産投資を始めたばかりの大家さんにとって、賃貸経営を円滑に進めるために管理会社の存在は欠かせません。しかし、現場では大家と管理会社の間でさまざまなトラブルが発生しているのも事実です。空室問題、入居者対応、建物メンテナンスなど、経営に直結する課題が放置されると、投資の収益性が大きく損なわれます。
本記事では、代表的なトラブル事例とその回避方法を解説し、賃貸経営を成功させるためのポイントを整理します。

1. 空室問題と入居者募集の不手際
賃貸経営で最大のリスクは「空室」です。家賃収入が途絶えるだけでなく、長期化すればローン返済や固定費の負担が重くのしかかります。
しかし、管理会社が積極的に募集活動をしなかったり、入居者に響く提案をしないために空室が長引くケースが多発しています。
- 募集活動の不十分さ:募集サイトの写真が暗い・古い、物件の魅力が伝わらない。
- 提案力不足:家賃設定やリフォームの提案がなく、放置される。
- 管理費用だけ発生:入居者ゼロでも管理費だけは請求される。
こうした事態を避けるためには、管理会社に定期的な報告を求め、集客戦略を一緒に考えることが重要です。
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2. 入居者トラブルへの対応不足
家賃滞納や騒音、ゴミ出しルール違反など、入居者間のトラブルは大家にとって頭の痛い問題です。管理会社に委託しているにもかかわらず、対応が不十分でトラブルが拡大することもあります。
- 家賃滞納への対応遅れ:催促をしないまま滞納が長期化し、大家の収益に直撃。
- 入居者間のトラブルを放置:「入居者同士の問題」として管理会社が関与を拒否。
- 連絡体制の不備:修理依頼やクレームが大家に伝わらず、入居者の不満が蓄積。
これを防ぐには、契約時にトラブル対応の範囲や報告ルールを明確化することが必要です。また、対応が遅れる管理会社には、改善を求める強い姿勢も求められます。
3. 建物のメンテナンス・修繕に関する問題
賃貸物件の資産価値を維持するためには、清掃や修繕といった日常のメンテナンスが欠かせません。しかし、管理会社の対応が不十分だと以下のような問題が起こります。
- 定期清掃や点検の怠り:共用部が汚れ、物件の印象が悪化。
- 修繕対応の遅れ:エアコン故障や水漏れに迅速対応せず、入居者が退去。
- 費用の不透明さ:高額な修繕費を請求されるが、見積もりや内訳が不明確。
このような事態は入居者満足度を下げ、退去率を高める原因になります。対策としては、相見積もりの取得や定期点検の報告義務を契約で明記することが有効です。
トラブルを回避するためにできること
不動産大家が管理会社とのトラブルを避けるために意識すべきポイントは次の3つです。
- 契約時に業務範囲を明確化する:空室募集、家賃督促、修繕対応などを細かく記載。
- 定期的に管理状況をチェックする:募集広告や修繕履歴を必ず確認。
- 第三者の専門家を活用する:解決が難しい場合は弁護士や公的窓口を利用する。
また、最近は国土交通省が管理会社への指導強化を進めており、信頼性の高い管理会社を選ぶことが一層重要になっています。参考に:
👉 国土交通省「賃貸住宅管理業法」ガイドライン(外部リンク)
まとめ
不動産投資は「購入して終わり」ではなく、管理の質によって収益が大きく左右される事業です。
- 空室問題への積極的な対応
- 入居者トラブルへの迅速なサポート
- 適正なメンテナンスと透明性のある修繕
これらが揃って初めて、大家にとって安定した収益が実現できます。管理会社任せにせず、オーナー自身も主体的に関与することが、長期的な資産形成への近道です。
株式会社L不動産
代表取締役 生田 忠士
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